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芥川賞はアイドル文学賞!? 芸能人的な人気があった芥川龍之介

芸能人と文学賞⑤

後追い自殺も相次いだ

 芥川さんの自殺が報じられたのは、27年7月25日のことですが、直後から、その死にショックを受けたらしい十代、二十代の、後追い自殺が何件も相次いで、「芥川宗」と呼ばれたりしました。たしかに教祖といえば教祖っぽいし、あるいは、芸能人の自殺が引き起こす現象っぽくもあります。

 小説論・文学論としては、さすがに作家と顔は関係ないだろ、というのが正しいのかもしれません。だけど「見た目から発生する人気」が、この社会に存在していることもまた、否定できません。

 ここで位置づけるとしたら、「はじめて芸能人ふうの文学アイドルになった作家の、名前を冠した文学賞がつくられ、それが文学賞界にも大きな革命をもたらした」……というところでしょうか。

 

〈2017年7月刊行『芸能人と文学賞』より構成〉

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川口 則弘

かわぐち のりひろ

直木賞研究家

川口則弘(かわぐち・のりひろ)



1972年、東京都生まれ。直木賞研究家。筑波大学比較文化学類卒業。



昼間は会社員として働きながら、趣味である「直木賞」研究にコツコツと没頭。



深夜、休日に寝食を忘れて膨大な資料収集と整理にあたり、



ついに2000年、直木賞非公式WEBサイト「直木賞のすべて」を運営。



さらに趣味が高じて「文学ではなく、大好きな文学賞」の研究範囲が拡大。



「芥川賞のすべて・のようなもの」、「文学賞の世界」のサイトまで運営。



口コミで「なんかスゲー直木賞のオタクがいる!」とサイトが評判になり、



いつしか、“街場の”直木賞研究家として執筆デビュー。



単著に『直木賞物語』、『芥川賞物語』(ともに文春文庫)、



『ワタクシ、直木賞のオタクです。』(バジリコ)、編著書に『消えた受賞作 直木賞編』、



『消えた直木賞 男たちの足音編』(いずれもメディアファクトリー)がある。



「直木賞のすべて」http://prizesworld.com/naoki/



「芥川賞のすべて・のようなもの」http://prizesworld.com/akutagawa/



「文学賞の世界」http://prizesworld.com/prizes/


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